遺言書が無効になるケース

皆さん、こんにちは!ともしび行政書士・社会福祉士事務所の黒田正実です。

今日は「遺言書が無効になるケース」について一例をご紹介します。

一般的に用いられる遺言書として、手書きで作成する「自筆証書遺言」と、公証役場で公証人に作成してもらう「公正証書遺言」があります。自筆証書遺言は簡単に作成できるというメリットがある反面、紛失や形式が整っていない場合は無効になるというデメリットもあります。一方の公正証書遺言は、原本を公証役場で保存するため紛失のリスクはありませんが、財産額に応じて手数料がかかり、証人も必要です。

母親に「私の全財産を長女のA子に相続させる」と、母親の生前に頼み込んで自筆証書遺言を書いてもらったA子さん。兄弟に財産を渡したくないという思いがありました。

その後、母親が亡くなり、相続について弁護士立会いの下、兄弟と話し合うことになりました。生前に母親から書いてもらった自筆証書遺言があるから大丈夫、財産はすべて私に入ると思っていたA子さんは遺言書を持参しました。

ところが兄弟は別の遺言書を持ってきました。「遺言公正証書」と大きく書かれた書類で、法定相続分でそれぞれ相続させるという内容が書かれていました。

A子さんは慌てて母親の自筆証書遺言を取り出しましたが、その中身を確認した弁護士に「この遺言書は、残念ながら無効です、遺言公正証書の方が有効になります」と言われました。

なぜA子さんが持参した自筆証書遺言が無効で、兄弟が持参した遺言公正証書が有効なのでしょうか?

それはA子さんが持っていた遺言書よりも、兄弟が持っている遺言書の方が作成日付が新しいのです。

遺言書が複数ある場合、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。

つまり、新しい日付のものが有効な遺言として扱われます。

自筆証書遺言は費用がかからず手軽な反面、財産目録以外の全文を本人が手書きし、作成日付や氏名も自筆するだけでなく、押印や訂正の仕方など守らなければならないルールがあります。要件を満たしていない遺言書は無効となってしまい、大切な家族を守ることができなくなってしまいます。

一方、公正証書遺言は手数料がかかり、証人も必要ですが、公証人がパソコンで作成してくれます。また、誰かに脅さたり。A子さんにように頼み込まれて自らの意思に反する遺言を書かされたのではなく、遺言者自らの意思であると証人が証明してくれるため、ほぼ無効になることはなく安心です。遺言書を作成する場合は、弁護士、司法書士、行政書士などの専門家に相談の上、公正証書遺言で作成することをおすすめします。

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